営業時間中に緊急事態が発生することもあります。緊急事態の発生を予測することはできませんが、それに備えることはできます。
事業に対するリスクとその影響について理解しましょう。リスクには、自然災害、医療関連の緊急事態、ライフラインの障害などが挙げられます。
事業経営に最も影響を及ぼすリスクについて従業員と話し合いましょう。
従業員の健康と安全を守るために高額機器の導入や様々な手続きが必要とは限りません。従業員と共に積極的な取り組みを行っていくことが重要です。
非常時の備えは事業経営者の義務です。緊急事態のほとんどは、いつ起こるか予測できません。しかし、従業員の安全を守り、経済的・人的な被害の軽減と早急な事業再開を図ることは可能です。
緊急時対応計画には必ず以下の項目を含めてください。
障害のある従業員と話し合い、非常時に必要な支援などを明らかにしておきます。また、障害のある方が事業所を訪問する可能性も考慮し、その支援方法を考えておきましょう。
地震発生直後は戸外へ逃げ出すよりも建物内にとどまる方が安全です。
いったん落ち着いてから、財布やコート、カバンなどの所持品と非常用持ち出し袋を持って避難します。何も持たずに逃げ出すのは危険です。避難時集合場所には、周囲に高層ビルや送電線のない広い場所が適しています。
緊急事態が発生したら、その後の対応も含め、従業員への配慮は雇用主の義務です。
まず、従業員も含めて、リスクの特定や緊急時対応計画について話し合いましょう。緊急事態を乗り切るために、従業員とその家族のニーズを明らかにします。
従業員一人ひとりが、個人的な職場防災計画 (非常時の連絡先や安全な帰宅手段を含む) を用意するように指導します。
非常時に従業員の安全を守る方法についてのアドバイス (英語) を紹介しています。
就業時間内に緊急事態が発生した場合に備え、各従業員に防災計画を記入してもらいましょう。
非常時には従業員が数日間にわたって職場に取り残されたり、帰宅手段がなかったりすることも考えられます。
従業員1人当たり 3 日分の防災物資を用意しましょう。また、緊急事態発生時に従業員以外の人が事業所にいる可能性も考慮し、その分の防災物資も含めます。
国家検定規格の認定を受けた使い捨て防じんマスク (P2またはN95)、作業用手袋、ヘルメット、工具類 (バール、大ハンマー など) が必要になることもあります。
3日分以上の食料品と飲料水 (1人当たり3リットル以上)、衛生用品などが必要です。
非常時に自宅や家族との集合場所に徒歩で向かうことを想定し、職場に非常用持ち出し袋を用意することを各従業員に奨励しましょう。また、家庭での防災計画づくりについても指導します。
救助が来るまでの応急手当を想定し、毛布、担架、救急箱などの備えを確認します。特に救急箱は不備がないように注意しましょう。
日頃から周辺地域の店舗や企業との結びつきを大切にしましょう。商工会議所、業界団体、周辺の企業や店舗、競合他社、サプライヤーの情報を把握し、緊急時対応計画や事業継続計画についても話し合っておきます。非常時にお互い協力して、早急に事業を再開できるかもしれません。
従業員、情報、資産、顧客、サプライヤー、流通チャネルを含む、事業全体の緊急時対応計画を立てます。
Shut Happensガイド (英語のみ) に従って、事業所の緊急時対応計画を立てましょう。
事業継続に支障を起こすあらゆる事態に備え、緊急時対応計画と事業継続計画を立てる必要があります。計画立案の手順を詳しく紹介したbusiness.govt.nzのガイドは、事業の存続に役立ちます。
緊急事態が発生した場合、農村部の地域社会や事業、個人は、臨機応変な対応が必要になります。
飼い主の責任として、ペットや家畜のことも防災計画に含めます。無計画の場合、人命にかかわる事態が発生しかねません。
Ministry for Primary Industries (MPI:第一次産業省) は、非常時の動物保護に関する防災アドバイスを提供しています。同サイトには動物や緊急事態の種類に応じたチェックリストも掲載され、防災計画に役立てることができます。